「チェ 39歳 別れの手紙」 監督 スティーヴン・ソダーバーグ キャスト ベニチオ・デル・トロ FFビデオ制作

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ちぇ391枠.jpgボリビアでのげりら戦の敗北と処刑までを描いた『チェ 39歳 別れの手紙』の二部作目。

革命の英雄、チェ・ゲバラを描いた歴史ドラマ2部作の後編で、キューバ革命後もなお世界の革命を指導することに闘志を燃やすチェ・ゲバラの死までを衝撃的に描く。監督は『オーシャンズ』シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ。オスカーを受賞した『トラフィック』以来のソダーバーグ監督作出演となるベニチオ・デル・トロが、風ぼうまで似せてチェ・ゲバラの革命への熱意を体現。すべての人の自由と平等のために闘うひたむきなチェ・ゲバラの姿に心が熱くなる(yahoo映画)

第1部は革命が成功に向かいますが、第2部の革命は敗北と銃殺。

キューバで成功した革命がボリビアでは失敗します。ゲバラはキューバ革命と同様の行動を取ります。農民に敬意を払って信頼を得て彼らを味方に引き入れようとします。これは彼のやり方です。しかし、キューバではうまく行きましたがボリビアでは外国人と言うこともあり失敗していきます。農民たちは政府軍に味方してしまいます。出来たらボリビア人の司令官を立ててゲバラは参謀に徹した方がよかったのかもしれません。ゲリラの場合は命がけで政府を倒すのですから外国人に命を預けるとというのは無理だったのかもしれません。

共産党の支援も打ち切られます。キューバの二の舞にならないようにボリビア政府とアメリカCIAのが敵対します。ゲバラは真っ直ぐな信念を変えず作戦変更も撤退もしません。少なくなった兵で最後まで戦い抜きます。

彼はキューバで成功している自分の戦い方に自信があったのだと思います。しかし、外国ではそうはいかない。革命の意義を唱えても国民がついてこなかった。

ゲバラは「愛のない革命家なんて考えられない」と言っています。敗れていく戦いの中で最後まであきらめなかった姿勢は素晴らしいと思います。第一部のキューバ革命は成功、第二部のボリビア革命は失敗して銃殺されますがゲバラの素晴らしさが印象に残ります。ここが監督の狙いですね。

ゲリラ戦で大切なのは後方支援だと思います。食料や銃器、銃弾、車両などをどんどん補給してやらないと前線は戦えません。そして諜報活動ですね。そのような前線の兵士と後方支援部隊をまとめる二人の司令官を補佐する諜報司令官で組織を作る必要がありますね。目的を達成するにはまず組織整備、そのための人材、軍資金ですね。私ならそこまでやらないと勝利までの計画が立案できないと思います。勝利の計画案ができない戦いは決して勝てないと思います。

ジャングルで行軍したり戦うゲリラの映像は手持ち撮影です。雰囲気が出ていますね。

ゲバラは兵士に住民に対して脅しや凌辱はダメだと命令します。食料もきちんと金を払って手に入れようとします。そして嘘はつくなと。

重症の兵士が腕時計を息子に渡してくれと頼みます。何か形見のものを息子に残したい親の気持ちがよく出ています。

ゲバラはここでも喘息が出て苦しみます。ゲリラ戦は先に相手を見つけて発砲した方が勝ち。狙い撃ちされますから。

木の上に登ってラジオの電波を受けて戦況のニュースを聞いています。ニュースを政府軍がでっちあげたらゲリラの場合は困りますね。

ゲバラはこの戦いを生き抜くには死んだ気で生きるしかないと言います。

戦争に使用する銃器は殺傷力が強力で身体を貫通します。血しぶきがあがります。普通のピストルは威嚇ようなので、痛い程度と言われますが、戦争に使う銃は確実に相手を殺傷しますからまずいです。軍隊の武器は秒20発という性能ですからとにかく逃げるしかないと思います。機関銃や高射砲の薬きょうが横に数メートル飛ぶのを見たら背筋が寒くなります。

夜の行軍のシーンは昼間のシーンを青くカラコレしていますが、少しリアル感に欠けますね。できるだけ夜に撮影しないと。

ゲリラのメンバーは地元の兵士で地理を知り尽くしていることが前提ですね。政府軍より勝るのは地理情報だけなのですから。

行軍の映像を見てロケ隊だから直ぐに休んでお疲れさまとやっていたらいいですが、本物のゲリラ戦だったら体力、気力、知力、戦闘力を維持し続けなければなりません。訓練を重ねた若者の出ないとゲリラ戦は無理ですね。劣悪な生活環境だし。疲弊した兵士が略奪、強姦に及ぶのは自然だと感じます。

ゲバラは医者だったのでゲリラ戦でも医術が役に立ち、兵士からも農民からも命を助けますから信頼されます。何か1芸がないと信頼される兵士は務まらないかもしれません。

ゲバラが足を撃たれた時、カメラは本人目線になります。

そして捕虜となって銃で処刑されるとき、カメラは本人目線になります。数発撃ちこまれて意識が遠のく様子がだんだんぼけていく映像として描かれていて素晴らしいと思います。

そしてラストはヘリが彼の死体の首に縄をかけて運搬していきます。そのあと映像は若き日のゲバラがカストロとともに船に乗って革命戦に行くシーンになって終わります。

チェ・ゲバラの革命に捧げた正義と愛の半生を見事に描いていたと思います。

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